生物としての人間は、生物学的には約1年の早産で生まれてきますが、優しさ、お互いに信頼し合う、コミュニケーションを交わす、人の気持ちを理解する・・・こうした人間を信頼し協力し合って生きていく能力は赤ちゃんの時から育まれます。赤ちゃんは人間として未完成のままで生まれ、周囲の人間の愛情を受けて人間になっていくのです。つまり、人間らしい能力や心の土台は乳幼児期に確立されるのです。
ここ数年、悲惨な事件が相次いでいます。なぜ、子どもとその命がこんなにも粗末にされるのでしょう。子どもが被害者になり、また加害者にもなっています。その背後にはテレビなどのメディア漬けの生活があり、子どもたちから遊びのよろこびをうばっている現代社会の問題があると思います。今こそ、私たちは本当に子どもを大切にするとはどういうことを、しっかりと見据えねばなりません。
生活している中で、想像力を働かせる機会が失われています。人間形成の基礎を培う大切な時期である乳幼児期の生活・保育がますます重要になってきています。立場こそ違うとはいえ、お父さん・お母さんと保育士は、子育てをするという点では仲間であり対等の関係なのであります。
保護者の皆さんと保育者とが、活発にコミュニケーションをとり、子育ての楽しさを共有しましょう。そして、お互いの信頼関係を高め、子どもたちが豊かに成長できる環境づくりをしていきたいと思います。 |